高校卒業後の進路が決まらない人は読んでください【高3で進路に悩む人へ】

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高校を卒業したら、ほとんどの人は大学・短大か専門学校、あるいは就職という進路を選びます。

多様化した生き方が叫ばれる令和の時代、偏差値のいい大学に行くことだけが正解ではありません。

そこで今回は、高校3年生の段階で何もやりたいことがなかった僕が、どのようにして進路を選べばいいか解説します。

最初に結論を言うと、進路などの正解がない選択肢は、できるだけ情報を集めて自分を納得させることでしか解決しません。この記事では、その手助けをしたいと考えています。

この記事を読めば、「何もやりたいことがない・進路の判断材料が何もない人」でも十分に進路を考えられる状態になります。

一般的な高校卒業後の進路のパターン

文部科学省のデータによると、一般的な進路は大学・専門学校・就職の3パターンでほとんどを占めています。

令和2年3月卒の高校生の進路

  1. 大学・短大等:55.8%
  2. 専修学校・公共職業能力開発施設等:21.8%
  3. 就職者:17.5%
  4. その他:5.0%

(出典)文部科学省「学校基本統計(学校基本調査報告書)

上記のデータは全学科の高校のデータであり、普通科高校に限って言えば約65%は大学・短大に進学し、就職する人の割合は約8%に減少します。

高校生の7〜8割は大学・短大・専門学校に進学し、特定の学問や分野を深く勉強する人が多いということがわかります。

大学に進学する人は年々増えている

2020年の大学進学率は54.4%と過去最高を記録。1990年代以降、大学進学率は右肩上がりとなっています。

なぜ大学に行く人が増えているのかというと、色々な要因が考えられますが、最も影響しているのは少子化&大学の増加でしょう。

下記のデータを見るとそれがよくわかります。

  • 1993年の大学生は約240万人(大学進学率25%)
  • 2009年の大学生は約285万人(大学進学率50%)

大学進学率は1993年から2009年にかけて2倍になりましたが、学生数はわずか45万人しか増えていません。

少子化で18歳〜22歳の人口が減り、新しい大学が増えた事で入学倍率が低下、多くの人が大学に進学できるようになりました。

これが大学進学率が増えた主な理由です。

高校卒業後の進路の決め方

一般的な進路の選択肢と現代の日本の現状を解説しました。少子化で子どもが減り、大学進学率は右肩上がりですが、入学のためには試験勉強はしなくてはいけません。

勉強が苦手だから、勉強が不要な進路を選ぶという人も多いです。それも間違いではありませんが、消極的な理由で選ぶと後悔する可能性が高いです。

例えば、勉強しなくても入れる専門学校に入ったとしても、その学校で特定分野の勉強をしなくてはいけません。高度で専門的な授業が毎日みっちりと行われるので、モチベーションがないとすぐに辞めてしまいます。

このモチベーションが非常に大事で、これがあればたとえ3年でも4年でも我慢できるものです。この学校を卒業すれば「この資格が取れる・この仕事ができる」というような具体的なモチベーションを見つけましょう。

モチベーションが見つからない人におすすめな方法

「やりたいことがないのに、モチベーションなんて見つかるわけない」

その通りです。モチベーションなんてそうそう簡単に見つかりません。

そこでおすすめなのが、『これだけはやりたくない』という仕事『こうなったら最悪』という状況を想像することです。

例えば、「毎日誰とも喋らずに同じ工程を繰り返す工場のライン作業をしたくない」という人は、人と関わる接客業やコミュニケーションが重要な営業職が向いているかもしれません。

であれば、そういった会社の就職に強い専門学校や大学に行くのが理想的です。

「不況によって会社を解雇され、職が決まらず日雇いでその日暮らしに…」なんてことは誰でも嫌ですよね。それなら手に職をつけて、いつでも就職できるように、専門学校に行くという選択肢もありでしょう。

初任給と生涯賃金の違いを知っておく

進路を決める上で大事なのは、生涯で稼ぐお金の違いです。

大卒・専門学校卒・高卒で初任給と生涯賃金の違いは下記のようになっています。

初任給

  1. 大卒:210.2万円
  2. 専門学校卒:183.9万円
  3. 高卒:167.4万円

生涯賃金

  1. 大学・大学院卒:約2億6920万円
  2. 高専・短大卒:約2億1550万円
  3. 高校卒:約2億1140万円
  4. 中学卒:約2億180万円

生涯賃金は企業規模・退職金の有無・定年の年齢によってガラリと変わりますが、あくまでも参考程度に参照ください。

やりたいことはないけど、単純にお金を稼ぎたいというのであれば、大学に進学して年収の高い企業に就職することを目標にするのが合理的な決断と言えます。
(※もちろん起業して稼ぐという選択肢もありますが、今回は就職という選択に限った話で進めます)

やりたいことがない高校3年生はどうすべきか

ここまでは客観的なデータによって合理的な進路の決め方を紹介しました。

ここからは私の主観が混じりますので、あらかじめご了承ください。

やりたいことがない高校3年生は、とりあえず大学進学を目指すことをおすすめします。

ライバルが多くて倍率が激化していた20〜30年前と比べると、大学進学の難易度は遥かに下がっています。半年から1年勉強すればそれなりの大学に進学できるでしょう。

大学に進学すれば、やりたいことを探す期間が4年間伸びます。

学生という立派な身分を4年間延長することができ、アルバイトやインターンで社会に出ることで、より明確に仕事や社会人としてのイメージを抱くことができるのも大学進学のメリットです。

何より、大学卒業の資格は生涯年収で数千万円変わってくるほど、今の日本には価値のある肩書きです。コスパが良い選択肢だと思いませんか?

しかし、大学進学最大の難関は4年間の学費です。

国公立大学の学費は4年間で240万〜250万、私立大学は400万〜540万かかります。

私立大学や理系学部に進学するとかなりの出費となり、学業とアルバイトを両立させるには非常に苦労することから、親からの資金援助か奨学金を借りるといった選択肢が必要です。

家庭環境によって経済的支援があるかどうかは異なりますし、奨学金は大学卒業後10年や20年かけて返済することになるため、安易に借りるべきではありません。

最大の難関である学費をクリアできるのであれば、大学進学はとてもおすすめです。それが難しいようであれば、専門学校や就職といった選択肢を視野に入れましょう。

まとめ:高校卒業後の進路は人生の大きな分岐点

進路で悩む高校生はとても多いので、なにもおかしいことではありません。他の高校生も悩んでいるので安心して大丈夫です。

ただし一つ確かなことを言うならば、高校卒業後の進路は自分の人生を大きく変える、数少ない分岐点です。

  • 「地元を離れて上京して東京の大学に進学し、一から人間関係を築く人」
  • 「地元から通える近くの専門学校に進学し、仲間と今まで通り仲良くすごす人」
  • 「地元の役場に公務員として就職し、いち早く社会人になって働く人」

どの選択も間違いではありませんし、正解でもありません。

私はギリギリ実家から通える距離の大学に進学しましたが、親の反対を押し切って一人暮らしをしました。

高校3年生の頃は一人暮らしなんて無理だろうし、親もお金がかかるからダメだと言っていたのですが、

大学1年生の頃には「一人暮らししなきゃだめだ」と思うほど、たった1年で考えや価値観がガラリと変わります笑

正直、高校生の頃の知見(経験側や判断力)なんてたかが知れてます。後悔しない選択なんて到底できないので、深く考えすぎず、最低限の判断材料で進路を決めてみて、そのために必要な準備に残りの時間を費やしてみてください。

最終的にその選択を正解にできるのは、数年後の自分ですからね。