「賭博黙示録カイジ」「アカギ」「最強伝説 黒沢」など、複数連載を掛け持ちながら人気シリーズを生み出す漫画家「福本伸行」先生。
代表作であるカイジは1996年に連載開始し、未だに連載が続いていることから、彼の作品人気の高さが伺えます。
私は高校生の頃に初めてカイジを読み、それ以降福本作品を色々と読み漁るようになりました。
画力は決して高いとは言えない福本作品ですが、独特な描写や表現でリアルを描くスタイルは、一度沼にハマると抜け出せない魅力があります。
そこで今回は、数ある福本作品の中でも特におすすめの作品をピックアップしてご紹介。最初はとりあえずこれさえ読めばOKです。
福本伸行作品一覧
まずは複数冊出版されている主要な作品を一覧形式で紹介します。他にも読み切りの短い作品等ありますが、この記事では省略させていただきます。
『天 天和通りの快男児』 | 全18冊(1989年〜2002年) |
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『銀と金』 | 全11冊(1992年〜1996年) |
『賭博黙示録カイジ』 | 全13冊(1996年〜1999年) |
『賭博破戒録カイジ』 | 全13冊(2000年〜2004年) |
『賭博堕天録カイジ』 | 全13冊(2004年〜2008年) |
『賭博堕天録カイジ 和也編』 | 全10冊(2009年〜2012年) |
『賭博堕天録カイジ ワンポーカー編』 | 全16冊(2013年〜2017年) |
『賭博堕天録カイジ 24億脱出編』 | (2017年〜) |
『無頼伝 涯』 | 全5冊(2000年〜2001年 |
『最強伝説 黒沢』 | 全11冊(2003年〜2006年) |
『新黒沢 最強伝説』 | 全21冊(2013年〜2020年) |
『賭博覇王伝 零』 | 全8冊(2007年〜2009年) |
『賭博覇王伝 零 ギャン鬼編』 | 全10冊(2011年〜2013年) |
『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』 | 全36冊(1992年〜2018年) |
おすすめ作品ランキング1〜3位
1位:賭博破戒録カイジ
1位は『賭博破戒録カイジ』です。
カイジの中でも人気の高い「地下チンチロ」と「沼(パチンコ)」を攻略する第3章「欲望の沼」編に当たるパートです。
カイジがエスポワールで借金を背負った後、帝愛グループの地下労働施設で強制労働をさせられるとこから物語が始まります。
地下チンチロで作品の人気キャラクターである大槻班長が登場したり、アニメで話題となった焼き鳥とビールを美味しそうに食べるシーンがあったりと、福本作品の魅力が詰まっています。
2位:最強伝説 黒沢
2位は『最強伝説 黒沢』です。
福本作品では珍しくギャンブルは一切登場しない、中年の独身男性の日常を描いたコメディ漫画です。
作品前半は1話完結でコメディタッチが強く、後半になるにつれてシリアスなストーリー形式に変化します。
前半は黒沢の哀愁漂う残念なおっさん感が、どこかリアルでクスッとくるのですが、後半から徐々に不器用ながら男らしい黒沢の生き様に惹きこまれる、そんな不思議な作品。
数年後に続編となる『新黒沢 最強伝説』が連載されたことから、シリーズ人気の高さがうかがえます。
3位:銀と金
3位は1992年から1996年に連載された『銀と金』です。
バブル崩壊後の日本が舞台の話で、裏社会のフィクサーとして銀王と呼ばれる平井銀次が、森田鉄雄とともに悪党のトップを目指す物語。
作中でよく出る「悪党」という言葉は、一見すると幼稚なイメージかもしれませんが、この作品では政治家・大手グループ会社の会長・メガバンクの頭取など、権力と資金力を持つ大物を指します。
裏社会で繰り広げられる知略やスリル満点の戦い、心理戦のみならず格闘シーンの描写が多いのも特徴的です。
福本作品の人気スピンオフ作品
中間管理録トネガワ
カイジの人気キャラ「利根川」が主人公という斬新なスピンオフ作品。
帝愛グループの会長に次ぐナンバー2という圧倒的な社会的地位を築く利根川が、普段どのような仕事やプライベートを過ごしているのか、デキる社会人の生き方を面白く描いた作品です。
作品の利根川は冷徹で完璧な男というイメージですが、帝愛は兵藤会長という奇人のワンマン経営なので、利根川も兵藤によって日々苦労している様子が描かれており、お茶目で憎めないキャラにも思えてきます。
1日外出録ハンチョウ
こちらもカイジの人気キャラ「大槻班長」の1日外出券を使った日を描くスピンオフ作品。
カイジの班長と言えば、汚い戦略と人身掌握に長けた小悪党というイメージですが、今作の彼は異常なまでに食へのこだわりを見せる憎めないおっさんという印象。
「飯テロスピンオフ」というカテゴリーらしく、グルメ通の大槻班長が実践するお店選び・食べ方・休日の過ごし方など、参考になるシーンも多い。
最強伝説 仲根
大手都市銀行に勤めるサラリーマンの仲根が主人公。
黒沢に出てくる仲根は、中学生ながら外国語ペラペラで、しかもお金持ちというスーパーハイスペック陽キャでした。
しかし今作では銀行マンとなったハイスペサラリーマンの仲根は、ある種普通の大人になってしまったのですが、エリート銀行員としての苦悩を描いた作品です。ただ、他のスピンオフの中では賛否両論あり、あまり評判は良くない印象。